Archive for2014/4

第3回将棋電王戦第5局はPonanza勝ちコンピュータ将棋4勝1敗

第3回将棋電王戦は最終第5局が昨日4月12日(土)に行われ、Ponanzaが130手で屋敷伸之九段に競り勝ち。第3回のシリーズとしてはコンピュータ将棋チームが通算4勝1敗となり、3勝1敗1引分だった昨年の第2回を上回る成績で終えました。

相掛かり模様の立ち上がりから屋敷九段の注文で横歩を取り合う戦型となった本局。中盤戦が始まってからはプロ間でも評価が分かれる優劣不明のねじり合いがしばらく続きました。終盤戦はPonanzaの一見奇妙な攻め方に対して屋敷九段の玉が盤面左側へと逃げ出し、入玉模様、いや相入玉か、という混沌とした場面もありましたが、屋敷九段のミスもあって最後はPonanzaが入玉を阻止して寄せ切りました。

団体戦としてはコンピュータ将棋チームの勝ち越しが第4局終了時点ですでに決まっていましたが、屈指の好カードである本局への注目が衰えた様子はなく、ニコニコ生放送の来場者数は70万人を超え、電王戦のこれまでの最高記録を更新しました。

全5局の内容を振り返ると、大きく勝ち越した理由は、中盤戦から終盤戦にかけてのコンピュータ将棋による指し手の精度の高さでしょう。プロでもミスが避けがたい難解な終盤戦で隙を見せない指し手の正確さは、第3局のように早い段階で優位を確立して終局まで押し切らなければコンピュータ将棋に勝てないのではないか、と思い知らせるような強さがありました。電王戦の次回第4回の開催も期待したいところですが、コンピュータ将棋チームの完勝というべき今回の最終成績からしてマッチメイクは難航するかもしれません。本局後の記者会見でも、残念ながら次回開催は明言されませんでいた。しかし高額賞金が提供される将棋電王トーナメントについては、既発表のとおり昨年に続いて今年も行われることが記者会見で改めて示されました。

さて、来月には第24回世界コンピュータ将棋選手権が待っています。社会的な認知度を高めた今回の盛り上がりが引き継がれることと、さらにレベルの高い熱戦が期待されます。

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第3回将棋電王戦第4局はツツカナ勝ちコンピュータ将棋勝ち越し決定

訂正(4/11): 第5局の先手・後手が逆だったため訂正いたしました。お詫びいたします。

第3回将棋電王戦第4局が昨日4月5日(土)に行われ、ツツカナが135手で森下卓九段に熱戦の末勝ち。シリーズではコンピュータ将棋チームが3勝目をあげたことになり、最終第5局を待たずして勝ち越しを決めました。

本局の戦型は相矢倉。後手の森下九段が中央から攻めて駒得し、中盤で優位に立ったと思われました。しかしツツカナもしぶとく受けて決め手を与えず、手数をかけて自陣の厚みを立て直すコンピュータ将棋らしからぬ戦術を披露。終盤は森下九段の攻めを逆用して反撃する形で優位を奪い返し、最後に鮮やかな即詰めを決めました。

本局、ベテラン棋士の奮闘、という期待感もあってか、ニコニコ生放送の番組の視聴者数が大幅に増えました。森下九段はその期待に応え、序盤の意識的な早指しと仕掛けの選択を披露。これは自身の棋風と経験を活かして周到な準備のもとに遂行された有力な作戦と想像されます。一時は森下九段にも大きなチャンスがあり、作戦が実ったかと思われましたが、ツツカナの深く正確な読みに対して決め手をつかむことはできませんでした。局後の記者会見における森下九段の「人間側も盤駒を使って戦うべき」との発言は、コンピュータ将棋の精緻な読みの力を認めたもの、とも考えられます。コンピュータ将棋は「頭の中に将棋盤を作る」ことが完璧にできるため、人間にとってのハンディキャップを補う考え方として、人間側が別の将棋盤と駒を用意して自由に動かして考えることを可能にする、というルールの導入は有力な選択肢なのではないでしょうか。少なくとも、コンピュータ将棋の機能を制限する「レギュレーション」に比べて明らかに筋の良いルールといえるでしょう。

来週4月12日(土)の最終第5局は、▲屋敷伸之九段-△ponanzaです。団体戦としてはコンピュータ将棋チームの勝ち越しが確定し、白か黒か、という見方では大きな山を越えたと見られますが、大将戦という意味の大きさ、そして最終成績が4勝1敗となるか、3勝2敗となるか、インパクトの違いは小さくないと思われます。何より、プロ棋士の対コンピュータ将棋戦術をもう一度見られる貴重な機会であることには変わりがありません。依然として番組が注目されます。

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