「将棋世界」がインタラクティブな電子書籍に
コンピュータ将棋との直接的な関連はありませんが、「コンピュータは七冠の夢を見るか?」を読むために紙の雑誌を読む以外の選択肢があることをお知らせしておきます。将棋の専門誌「将棋世界」が、iPadで読める電子雑誌として購入できるようになりました。しかも映像で再現されているとおり、タッチ操作で記事中の局面の駒を動かして見ることができるという、まったく新しいタイプの「動く雑誌」となっています。
その斬新さゆえ、iPad/iPhoneの情報サイトでも大きく採り上げられています。電子書籍元年と期待された今年、残念ながらまだ日本ではあまり多く目にしませんが、ここまで野心的な試みの電子書籍は世界的に見ても稀少のはず。電子書籍の購入は、こちらのサイトで行うことができます。
将棋の盤面を滑らかに動かすアプリケーションを開発したのは、前回記事にも登場した、柿木将棋の開発者の柿木義一さん。ネット中継でおなじみの機能がついに雑誌にもやってきました。「紙の蔵書を持つほどの熱心な将棋ファンではない」という方もこれを機会にご検討を。
日本の文字「かな」の発明は、万葉集の「万葉がな」の時代、八世紀のことです。それより2000年以上前に発明された輸入先端技術「漢字」のローカル化でした。
明治維新、日本はどこまで世界史の流れに追いついたでしょうか?
福沢諭吉は、マルクスとエンゲルスを知らなかったように見えます。
西洋人は蒸気電信の発明に遭ふて正に狼狽するものなり。(中略)
方今「チャルチスム(Chartism チャーチスト運動)」と「ソシャリズム(Socialism 社会主義)」と二主義の流行を得たり。
この主義は、フランスその他の国々に行はるる社会党と大同小異、いずれも皆下民の権利を主張して貧富を平均し議院選挙の法を改革する等の説にして、結局貧富に左袒(さたん 加担と同じ)して富貴を犯すものなり。 ─ 1879年 福沢諭吉全集第五巻
これは「共産党宣言」の1848年から30年後のことですが、諭吉は社会発展の学説を十分には知らずに、20数巻におよぶ文書を残し、2010年の現在日本の最高額面の紙幣の肖像となっています。
すなわち、日本の文化水準は2010年においても19世紀の最先端の学説より百数十年遅れていることになります。
それでも、八世紀の2000年の遅れが、2010年に200年以内に縮小されたのは、早い進歩と言うべきでしょうか?
ちなみに、IT技術の普及期(1970年代)に、日本ではゲーム機とワープロの横道に入り込み、コンピュータ・ソフトの知識の面で10年単位の遅れを招いたのでした。
この遅れは、コンピュータが人間のチェス名人に勝ったのが1979年、日本で女流棋士に勝ったのが2010年で、ここでも30年の遅れが現存しています。
日本が人類の歴史と並ぶためには、まだ歴史の直視と理解が必要とされています。
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